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大自然の中で自分たちの心地よい暮らしを追求する、

あらい農園。

働き方改革が多くの企業で進む中、「ワークライフバランス」という言葉を様々な場面で耳にするようになりました。
しかし、その言葉だけが実態以上に独り歩きしているような印象を受けます。

そもそも、「ワークライフバランス」とは家庭も仕事も共に充実した状態を作るためのものであるにも関わらず、家庭と仕事を対極視点でとらえ、どちらかを取ればどちらかが犠牲になる、という意味合いで理解している人も多いのではないでしょうか。

本来、家庭も仕事も人生や暮らしの中の一部であってひとつのコンテンツに過ぎず、相互作用していくものですので切り離して考えることはできないはずなんです。大切なのは「自分たちにとって」心地よい暮らしがどんなものであるかを考え、それを叶えるコンテンツを充実させていくこと。
仕事を暮らしの一部として捉えられないから、仕事は仕事、家庭は家庭、と別々の考えをもとうとしてしまうのかもしれません。

今回は心地よく暮らすことを最重要視した上で、働く時間や家族との時間の最適なバランスを考え、より自然体な生き方を模索しながら歩んでおられる「あらい農園」さんにお話を伺ってきました。



京北上黒田町にて、夫婦で農家を営む「あらい農園」。







京都府京都市の最北部に位置する京北町。京都の中心部から車で約2時間ほどかかるこちらの地域は、その土地の93%もが森林でおおわれており、上桂川の清流と緑に囲まれた自然豊かな地域です。
あらい農園さんは、ここで子供を含めた3人暮らしをしながら夫婦2人で農家を営んでいます。

ご主人の新井遼さんは、立命館大学出身。一時は金融機関に勤めるほど、農業とは縁遠い生活を送っていました。
きっかけになったのは建築業界で働く友人との会話でした。その友人は建築業界で働くのが夢で、まだまだ駆け出しながら業界に携わることができたものの、毎日終電まで仕事をしても月に数万円しか稼ぐことができていませんでした。それなのに毎日楽しそうで、キラキラしていました。
自分も、嫌々生活のために仕事をするくらいなら楽しく働ける仕事に時間を使いたい!自分がこうしたい!こうなりたい!と思ったことに素直になれる仕事に就こう。
その想いが「今」へつながることとなります。



畑からてんとう虫がいなくなった。



農業を始めた当初は、綺麗な野菜を作るためにあらい農園でも農薬を使っていました。しかし、そうすることで畑からてんとう虫がいなくなったのです。害虫も畑を助けてくれる虫も、一斉に姿を消したと言います。
その時新井さんは「嫌な気持ち」になり、農薬や除草剤を使わない野菜作りを始めました。なので、あらい農園では季節の野菜しか作れません。天候や虫や動物の被害を大いに受け、安定した収穫をすることは大変な苦労を伴います。
それでも、「嫌な気持ち」をしてまで野菜を育てたくはなかったのです。
それよりも、野菜の旬で季節を感じる喜びや、同じ野菜が続いた後に、「やっとこの野菜が食べられる季節が来たー!」という感動やワクワクを感じられる毎日の方が、不便だけど自分たちらしくて心地よいと感じたのです。

また、あらい農園は初め、京都市内の畑と京北の畑との2か所で栽培を行っていました。
無農薬栽培をスタートしたあらい農園の畑にはたくさんの虫が寄ってくることとなり、市内のように他の農家さんの畑が隣接している場所では周囲への配慮も必要でした。
自分たちがいいと思うやり方で心地よく暮らしながら野菜を育てる、そんな日々のために必要な環境はどこなのか。夫婦で話し合った結果、京北に拠点を集中し、移住することを決意するのです。







今年は1歳9ヶ月になる娘さんとの時間を最優先するため、農作業の時間を少し減らしたそうです。まだ幼い時期をできるだけ長く一緒に過ごしたい…!これも、あらい農園の考える「心地よい暮らし」のひとつ。
暮らしの中に家族との時間も、仕事の時間もある。どこにどれだけ割くかは、人それぞれの心地よさで決めていいんですね。新井さん夫婦を見ていると、そんな当たり前に気づかされます。
とは言え、収穫が減ってはお客様に迷惑がかかります!なので、いろんな機械を購入して効率化を図っているそうです。



ありのままを伝えたい。





あらい農園では、ホームページやfacebook、農家のつぶやき(※後でご説明します!)など様々なツールを使って、農家のリアルを発信しています。
どんなことが書かれているのか。いくつか抜粋し、少しの要約を加えてお伝えします。

◆有機農業は全く農薬が使われていないのか?!
有機農業は販売する際、法律で定められた基準を満たしている必要があり、うちでもその基準に準じて栽培をしています。しかし、その基準に甘えているわけではないが、例えば種の購入時にその種自体にコーティングされている農薬は使用してもいいことになっています。特に大手メーカー販売の種はコーティングされたものが多く、逆にコーティングされていないと病気になったり土壌の病原菌から作物を守れなくなるので、作物自体に問題ないだろうとされています。厳密に言うと無農薬ではないのですが、この部分の農薬カウントはされていないし、うちもしてません。

◆ダメだった夏の振り返り
猿の被害でとうもろこしとえんどう豆が全滅。ちょっとだけトマトがやられました。あと、パプリカ、万願寺が青枯れ病でこのほど全滅。青枯れ病は出たらそれなりの対処法はありますが、そもそも土壌の中に菌がいるので、作物を植えてからでは仮に農薬があっても根絶は難しい病気です。
必死に収穫量上げにいこうとして裏目に出たバージョンもあります。ミニトマトは管理が追いついておらず、暴れまくっていた脇目を慌てて切り落としたら、葉っぱを切りすぎて付いていた実が割れる割れる。。他にも、万願寺はナス科できゅうりはウリ科だから大丈夫、という考えできゅうりを同じハウスに植えたのですが、きゅうりに水を送ってやろうとハウス内に水を流し込んだら、まだ生き残っていたパプリカ、万願寺が根腐れなのか全枯れしました…。こんな感じで、失敗に次ぐ失敗で、大変申し訳ないのですが発送便は新規の受付を一旦止めさせてもらっております。発送の定期便も品数が揃わないのでお休みに入らせてもらう予定です。市内でのお届けはかなり少ない種類でのお届けになるかと思います。

◆猿に作物を荒らされています(妻バージョン)
今年の夏は猿に甚大なる被害を受けました。
とうもろこしをお届けできないお客さんには申し訳ないのですが、私にとっては被害を受けたとうもろこし分の売上がない、くらい。だからか、捕まえて復讐したいとは思わなくて、棲み分けができればいいなと思いました。でもそれは理想論で、実現するためには時間も労力もかかる。その間に被害は他の野菜にも広がるばかり…。どうにかして捕まえたい、と必死の夫の思いに共感できず険悪なムードになることも。夫と話していると、猿はダメで、ゴキブリや蚊はよくて、ネズミは…と生き物の命に勝手に優劣をつけている自分に気づかされました。生きている中で、お肉も魚も食べるし、蚊もパチンとするし、どこかで線引きしているのですが、それを突きつけられたような。
一番せこいのですが、もし今、誰かが捕まえて被害が出なくなったら、私は喜ぶと思います。自分の見えないところで知らないうちに終わってくれていたら。それこそが私の一番の願いなのかもしれません。お肉も毎回自分で屠殺してお肉にして食べないといけなくなったら、簡単には食べなくなるかもしれません。誰かが見えないところで屠殺してくれて、精肉してパックに入っているから、私は気軽に買って食べられるのだと思いました。そんな自分の汚いところが見えて、嫌になったのですが、それでもまだ捕まえるのをよしとできず、棲み分けが…と理想を言いたくなります。



お客様との距離を縮めたい。



あらい農園が発信するものには、そこまで正直に言わなくてもいいのでは?と言いたくなる内容がたくさんあります。
それでも伝えたいのは、リアルな現状を知って欲しい。そして、自分たちが良しとすることを知って欲しいから。その上で、共感していただける方と長くお付き合いしていきたいと願っているのです。
カタチが悪くても、少々葉っぱが虫に食われていても美味しい野菜はたくさんあります。新井さんは、野菜とはそういうものなので、そのすべてを受け入れて味わいたいと思っています。お客様にも同じように受け入れてもらおうと思うと、まずは自分たちが、なぜそれらを良しとしているのか、どんな思いで、どんな状況の中でその野菜たちを育ててきたかを知ってもらわなくてはなりません。相手と信頼関係を築きたいと思ったら、まずは自己開示することから始めなければ、というわけです。

新井さん曰く、「農業は泥臭い」。
消費者の方は農家を清く美しい存在のように感じているように思うが、実際は人間臭くて、理想と現実のジレンマに毎日のように悩まされながら、つらいことや泥臭いことを毎日やっている職業なんです。
その消費者と生産者のギャップを埋めて、リアルを理解した上で、良いものを見極めて欲しい。
そう願って、新井さんは今日も発信を続けています。





オンラインショップで野菜BOXを申し込むと、配送の際に同梱されているのが「農家のつぶやき」。月に1回A4用紙2〜3枚に渡って、その時々の農家の(と言うよりあらい農園の、ですかね)リアルがびっしりと書き連ねられています。
ハッキリ言って、内容はホームページやfacebookのものより更にリアルで「濃い」です!笑。
不特定多数の方には伝えられないことも、購入いただく方には更に踏み込んだことまで知って欲しい…。そんな想いが込められているのだとか。農家さんの葛藤や悩み、楽しさを知ることができ、だからこそ「命をいただく」ということへのありがたさが増します。当り前じゃないことへのありがたみ。教えてくれてありがとう…!これからも頑張ってください!そう言わずにはいられない内容なんです。





野菜の味は肥料で変る!ということで、あらい農園では一般的な肥料に黒糖やサトウキビを加えて野菜の甘みを引き出しています。また、ニシンやカツオを使って旨味とコクを出したり、カルシウムをとると強い野菜ができるので、動物の骨や海の生き物も使用しているそうです。
京北の土壌は、水はけの良い火山灰土なのと綺麗で美味しい水も相まって、野菜作りに適しているのだとか。











あらい農園で採れた人参を使った晩ごはんです!人参の葉っぱを使った炊き込みご飯やナムルとシチュー♪スーパーではこんなに葉っぱの付いた人参はお目にかかれないので、人参全部をいただくのは初めての体験です。しかも栄養素は根(普段食べている部分)の何倍も高いと言うのですから驚き!丸ごと美味しくいただきました◎




いかがでしたか?
心地よい暮らしは百人百様。人それぞれでいいんです。
みなさんにとっての「心地よさ」とは何か、一度考えてみてはいかがでしょうか?
また、あらい農園さんの野菜BOXは全国配送も可能ですので、是非ホームページをチェックしてみてくださいね。

<あらい農園>
京都市右京区京北上黒田町吉野110-3
TEL:090-1157-2764
【受付時間】9:00〜18:00

http://arai-nouen.net/


 

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