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納豆嫌いだった社長が作る

京納豆「藤原食品」。

「関西人は納豆嫌いが多い」とよく聞きますが、私個人のお話をすると、全然そんなことはありません!
京都生まれの京都育ちですが小さい頃から納豆が大好きで、休みの日の朝食と言えば、納豆・焼き魚・卵・味噌汁・ご飯が昔からの定番です。最近は発酵食ブームも相まって、スーパーでも様々な種類の納豆を見かけるようになり喜んでいます。
しかし、そんな納豆大好きな私ですら、つい最近まで京都に納豆メーカーがあることをまったく知りませんでした。

「近所の人も知らないくらいなんでね。」そう屈託なく笑うのは、「藤原食品」の4代目代表 藤原和也さん。
今回は、京ブランド認定商品であり5年連続「全国納豆協同組合連合会会長賞」などを受賞した「京納豆 大粒」をはじめとする京都を代表する納豆を作られている「藤原食品」さんをご紹介したいと思います。


豆の味がしっかり味わえる、100%国産大豆を使った納豆。





京都・「鞍馬口駅」すぐにある「藤原食品」は赤い暖簾がなければ気づかず通り過ぎてしまうほどで、看板もなく、住宅街の中に溶け込みながら佇んでいます。
大正4年(1925年)に創業し、先にご紹介した「大粒 京納豆」の他「京納豆 ひきわり」や「鴨川納豆」など、京都を代表する7種類の納豆を毎日2000~3000パック製造しています。

その昔、千利休が茶会で「納豆汁」を振る舞っていたほど、納豆は高級な食品でした。それが近年、大手メーカーによる大量生産に伴い価格が劇的に下がり、今では安価で栄養素の高い食品として定着することとなりました。
これだけ古くから愛されていながら大豆の国内自給率は7%と低く、その多くを安価で手に入るアメリカ産の大豆に頼っているのが現状です。

藤原食品で作る納豆は大豆と納豆菌のみを原材料としたシンプルなもので、ブランドによってたれを変えたりすることもないため、大豆の味がそのままダイレクトに味わえるものになっています。そのため、おいしい大豆を使うことが必須条件。
藤原さん自ら農家さんを訪れて吟味したこだわりの国産大豆を使い、豆の味がしっかり味わえる納豆を作り続けています。








納豆作りは大豆を綺麗に洗うことからスタートします。土や雑菌を洗い流したら、浸漬(しんせき)といって水に浸すことで、元の大きさの2倍くらいまでに膨らませます。ここは藤原さんが一番緊張する工程だそうで、夏は8時間、冬は16時間と気温や大豆の状態によって浸漬時間を調整する必要があります。水に浸かりすぎると栄養素が逃げてしまい、逆に吸水が足りないと硬く青臭い納豆になってしまうのだとか。かけだしの頃は浸漬に失敗し、釜一杯分の大豆を捨てることになったほろ苦い想いでもあるそうです…。

浸漬が終われば、大きな圧力釜で1時間かけて炊いていきます。
ここで納豆のやわらかさや色が決まっていきます。

炊き終わったらすぐに納豆菌の噴霧です。納豆菌は、アツアツのうちに噴霧しないと活発に働かないのだとか。ムラなく、丁寧に噴霧していきます。












パック詰めにも熟練の技が光ります。手際よくパックに詰めて、ラインで流していきます。ひとつの無駄もない動きに感心してしまいます…。
ちなみに、パックに詰める時はネバネバしていないって知ってましたか?実はサラサラのままでパック詰めし、この後1日かけてじっくり寝かせることで発酵が進んでおいしいうま味と糸引きが加わっていくのです。




納豆になる前の、「炊いた大豆」を試食させていただきました。
大豆の種類によって、こんなに味が違うの?!ということと、普段食べている納豆との粒の大きさの違いに驚きました。
この状態でも十分美味しぃ~~!大豆の甘みが口の中に広がります。


納豆嫌いが納豆大好きになるまで。



納豆屋に生まれた藤原さんですが、子どもの頃はまったく継ぐ気はなかったのだとか。むしろ毎日必死に働いてる父親の姿を見て、同じことの繰り返しで大変そうだし楽しそうじゃないし、納豆屋になんかなりたくない!という気持ちの方が強く、反発心もあって納豆を食べることさえも好きではなかったと言います。

そんな納豆嫌いな藤原さんが家業を継ぐに至ったのには、埼玉での経験が大きく影響していました。

大学卒業後、数年フリーターをしながら行き着いたのが飲食業界。実家を飛び出して暮らし始めた埼玉で焼肉屋の店長を任されることになります。そこで扱っていたのが埼玉牛。しかし、地元の人ですら埼玉県にブランド牛があることを知りませんでした。そのためか、オープン当初から売上は伸び悩み赤字が続きます。
「まずは知ってもらうことから始めよう!そのためには、まず自分が知らないと!」その思いから藤原さんは牧場を訪れ、実際どんな風に育てられているのかを一緒に飼育してみることで肌で感じ、牧場でのイベントを開催したりチラシを配るなどして近隣の方との距離を縮めていきました。

そんな地道な活動が実を結び、藤原さんのお店は2年目から軌道に乗り出し、ついには繁盛店へと成長していったのです。


なくしてはいけないもの。



埼玉での成功体験は、藤原さんにとって大きな自信と家業を振り返るきっかけになります。

埼玉牛も、食べれば美味しいしわかってもらえるのに、その機会がないために売れなかった。実家の納豆も同じなんじゃないのか…。そんな想いが芽生えだします。
また、埼玉で知り合った飲食店関係者の人たちから「実家の納豆が食べてみたい!」とリクエストされて、実家から取り寄せたものを食べてもらうことがよくありました。その時、みんなが口を揃えて「美味しい!」と絶賛してくれたのです。
プロの料理人でも美味しいと認める味。

なくしてはいけないものなんじゃないのか…?
まったく継ぐ気のなかった藤原さんが、納豆屋へのチャレンジに想いを馳せた瞬間でした。

ちょうどその頃東北の震災が起こりお店を閉めざるをえない苦しい状況が続いた際、距離を縮めていた近隣のお客様たちに助けられることが多々あったそうです。一時の危機を乗り越えてお店を後輩に任せることができるようになった頃、「納豆屋も、まずが地元の人たちに知ってもらうことから始めればいいのでは?実家を継ぐために京都に帰ろう。」その決意は固まっていたと言います。


100店舗に置いてもらうより1日1人のファンを作る。



藤原食品に取材の依頼しようと思った時、以前あったHPが削除されてしまっていました。なぜ全国の人に知ってもらうきっかけとなるHPを削除してしまったのか尋ねると、「表面上のことだけを知ってもらうことに、あまり魅力を感じないんです。」と、藤原さん。

「ふらっと来た人はふらっとどこかへ行ってしまいます。それよりも、興味をもって調べて、HPもないからお店に行ってみよう!とわざわざ来てくれた人は、実際にうちの納豆を食べたら絶対にファンになってくれるんです。100店舗に並べてもらうよりも、そんなファンを1日1人ずつ増やしていく方がよっぽどいい!」そう藤原さんは言います。

実際、私たちもHPがないことで余計に興味関心がわいてしまい取材を申し込んだわけですから、まんまと藤原さんの策略にはまってしまったというわけなんですが、ネットで「藤原食品」で検索すると、HPこそないものの、紹介記事やインタビュー記事がたくさんでてきます。その記事を見て、こんな人がこんなところで、こんな想いをもって作った納豆なんだ、ということを知ってもらえることの方が価値があると藤原さんは感じているのです。
藤原食品のことを知ってから来てくれたり買ってくれるお客さんの方が長くファンとして残っていただけるのではないか、と。


二度見シリーズ。



ファンを増やすため、藤原さんが取り組んでいることがいくつかあります。
そのうちのひとつが「二度見シリーズ」。

それは、こんなところに納豆が?!というようなお店で納豆を販売するのです。
これまでに本屋さんや大手アパレルチェーンショップの本店などで販売してきました。
藤原食品の納豆は、スーパーでは価格的に上の方の段に並んでいることが多いので、なかなか目に止まりにくい。
ですが、本屋さんやアパレルショップの中では他の競合納豆が陳列されいているわけではないので、比較されることなく目にも止まりやすくなります。また、1冊1500円の本の横に並んでいたり、1枚6800円のTシャツを買うレジ横に並んでいたら「安っっ!買ってみようかな。」となる、というわけなんです。価値観を変換してもらうきっかけ作りになれば、と思ってやっているそう。

なるほど、確かに…。
そんな中に納豆が並べられていたら「えっ?!」と誰もが二度見してしまいます。そうなったら、こっちのもの!思わず手に取ってくれる人も増えるというのですから、発想がおもしろすぎてスゴイです。実際に販売していた時は、珍しくてSNSにアップしてくれる人も多く、話題になったそうです。

写真の「赤と黒」は、実際に本屋さんで本と一緒に並べていたもの。赤は「滋賀県産 赤大豆」で、黒は「栃木県産 黒大豆小粒」のこと。納豆2パックのセット商品になっています。

若い人も納豆を知るきっかけになることを、遊び心も持ちながらチャレンジされているのですね。


納豆屋ほど面白い仕事はない!



元々は納豆嫌いだった藤原さんですが、今では納豆屋ほどおもしろい仕事はない!と断言します。もちろん、嫌いだった納豆は、今では大好物です。

まず、「納豆屋」なんて近くにいないから、「納豆屋の藤原です」と言えばすぐに覚えてもらえる、とのこと。
昔は毎日同じことの繰り返しに思えてつまらなかったが、今は、知ってもらうために今度は何をしよう?と考えて毎日楽しいのだとか。

また、何に時間を割くのかを自分で決められるのも自営業のメリット。藤原さんは納豆の製造に忙しい中でも、極力別のことに時間を割くように調整しています。異業種の方々と接点をもつ機会を設けたりイベント等への出店を行うことで、異業種の取り組みをヒントに自社の改善に生かしたり、思いがけないコラボが生まれることもしばしば。
藤原さん自身は、そうやって行動することが自社の直接的な利益にならなくても構わないと言います。人と人とをつなげたり、引き合わせることで、周囲の人たちが笑顔になることだけでも嬉しいのだとか。
まさに「納豆人間」のように、自分自身もネバネバと人と人とをつなげていける存在でいたいのです。


野望は地下鉄のアナウンス。



最後に、今後の夢を聞いてみると、「野望は、地下鉄の次駅アナウンスを『藤原商品前』にすることです。」と。
地下鉄に乗ると、「次は、●●駅~。株式会社▲▲前です~。」とアナウンスされることがありますよね。それを「藤原食品前」にして、鞍馬口の名物のようになりたいのだとか。
冗談交じりに話す藤原さんですが、藤原さんの行動力を知ると、まんざら野望でもないかも…と思ってしまいます。笑。

また、いずれ朝食屋さんを開くことも目標なのだとか。
今でも毎月第4水曜日に、河原町松原を少し下ったところにあるカフェバー併設のホステル「Len」で納豆定食が食べられるイベントを開催しています。(※緊急事態宣言中は休業となります)4種類から選べる納豆と、5種類のお惣菜から選べる小鉢2種、納豆と同じ大豆を使った自家製味噌汁と、大豆と同じ農家さんから仕入れたお米を提供するというもの。小鉢は藤原さん自らが腕を振るいます。

埼玉で地元の人たちと触れ合い、助けられた経験からも、今はまず地元の人たちに愛される存在になりたいと思っています。最近では朝食を食べない人も増えてきましたが、出勤前にチラッと立ち寄り、体と心に優しい納豆定食を食べて仕事へと向かう。食べている間にあれこれ話を聞いたり、相談に乗ってみたり。そんなことで少しでも地域に貢献できたり、地元の人と触れ合えるような役割を担えたら…藤原さんのチャレンジは尽きることがありません





いかがでしたか?
藤原食品の納豆を食べてみたい!という方は、下記メールアドレスにご連絡下さい。直接ご注文を聞き、全国配送してくださるそうです♪
メール:info@fujiwara-syokuhin.com
    ※藤原食品 藤原宛

<藤原食品>
〒603-8152 
京都市北区鞍馬口通烏丸西入る小山町225
TEL:075-451-0507



 

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