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健康的で素材に配慮しているパン屋

「鴨川べーカリー」

今回取材をさせていただきました「鴨川べーカリー」は、健康的で国産の食物由来の食材を使用したパンやベーグルを作られています。
また、パンには欠かせない卵や乳製品、お肉を使ったベーグルやパンだけではなく、ベジタリアンやヴィーガンのようにプラントベース(食物由来の食品を中心とした食事法)を持っている方々にも美味しく食べてもらえるようなベーグルも商品の約8割を占めています。
プラントベースは、お肉やバター、卵やはちみつといった動物からもらう食材を一切使わない食事法です。ダイエット法や宗教、アレルギー対策として扱われているそうですよ。

健康的でいろんな思考や制限のある人々へ、「おいしい」パンをみんなで食べられるようにいろんな活動をされている「鴨川べーカリー」のスタッフ、加藤さんへお話しを伺いました。
色鮮やかで可愛らしいパンやベーグルの写真もぜひご覧ください。

ラーメン屋がベーカリーを営むまで





「鴨川ベーカリー」は京阪電鉄の神宮丸太町駅から歩いて10分くらいの所にあります。
2020年10月に、「ジャパンフードエンターテイメント株式会社」というラーメン屋を営む会社が「鴨川ベーカリー」をオープンしました。
「ジャパンフードエンターテイメント株式会社」は、京都で約36年間営むラーメン店の「めん馬鹿」から始まり、ここ10年程前より海外からの旅行客向けのおいしいラーメンに力を入れ、提供したことにより、海外メディアに注目されました。
そして、海外の方向けラーメンのマーケティングをより一層強化し、お店の中で海外のお客様と一緒にラーメン作り体験が出来るお店「ラーメンファクトリー」を設立しました。
この「めん馬鹿」「ラーメンファクトリー」の2本柱で営業を続けて来ましたが、2020年に流行したコロナウイルスの影響によりほとんどの経営がストップしてしまい、何か新しいことに取り組んでみようと始めたのが、「鴨川ベーカリー」でした。

ラーメン店で培ったものを「鴨川ベーカリー」へ







日本では、ベジタリアンやヴィーガンという言葉はあまり知られていないようですが、海外にはお肉や魚などの動物性食品を取らず、穀物や豆類、野菜などの植物性食品を摂取する方々がたくさんいられます。
またベジタリアンとは少し異なり、完全野菜主義者で、動物から取られる卵や乳製品も一切摂取しない人たちのことをヴィーガンというようです。
以前、「ラーメンファクトリー」では豚肉や卵や牛乳などといった食材が入っていないラーメンを提供し、日本に住んでいるプラントベース(動物性の食材を使用していない食事法)を持つ海外のお客様へ、こんなにも美味しいという感動や喜びを共感できるような対応を重点的にしていました。
その強みを活かして、「鴨川ベーカリー」でも8割ほどプラントベースのパンやベーグルを販売しています。
ですが、ベジタリアンやヴィーガン向けの専門店を目指しているのではなく、ベーコンやチーズ等の動物性の材料を使ったメニューもあります。
加藤さんは、「鴨川ベーカリーのパンをいろんな方に食べてもらいたい。もちろん家族の中でも好みは異なりますから、色々な好みが異なる方たちが共存することはとても大切なことだと思います。食の好みが異なっていても、それぞれが共存し理解し合うこと、またいろんな主義の方たちがひとつのテーブルを囲んで自分自身の好きなものを食べられることで、食事を楽しむことが出来るワンテーブル(一つのテーブルを囲むこと)という考え方を重視しています」とおっしゃっていました。
私が取材で訪問した際にも、海外の方々がプラントベースのベーグルを召しあがりながらお話を楽しんでいらっしゃいましたよ。

「美味しい」の言葉を求めて







パンにバターや卵が入っていないとなんだか物足りないように思われるかもしれませんが、「本当にバターや卵が入っていないの!?」と驚くほどふんわりもちもちで美味しいんです!
プラントベース向けということを知らない方には、ベジタリアンやヴィーガンの食事法を知ってほしいというよりも、「美味しい」という気持ちを大切にされています。
また、「鴨川ベーカリー」でプラントベースについて知られた際には、こういった考え方もあるのだなと理解してもらい、おいしいと思ってくれることが一番の目標だそうです。

食材のこだわり





「鴨川ベーカリー」では、食材もかなりこだわっています。
ヴィーガンの方は、作る工程で動物の骨を使用することから「上白糖(白砂糖のこと)」を控えることが多く、「鴨川ベーカリー」では種子島産の「粗糖(そとう)」という動物の骨を使わないミネラルたっぷりの砂糖を使用しています。
また、北海道産の「はるよこい」「ゆめちから」といった強力粉を使用し、国内産で安心・安全で美味しく食べてもらいたいという思いがあります。
プラントベースはアレルギー体質の方向けでもありますので、乳製品・卵を使用していないパンやベーグルは、乳・卵アレルギーを持っている方たちも食べられます。
「おいしく食べられるパンがあって嬉しい」とアレルギー持ちの方々も多く購入されるそうです。
もちろん販売する中で卵や乳製品を使ったパンを一緒に提供しているため、日々スタッフ全員で食材の中身を絶対に間違わないように共有し共通認識ができるよう徹底されています。
※「鴨川ベーカリー」では、商品に小麦や大豆を使用しているものもございます。
材料の詳細につきましては、「鴨川ベーカリー」のホームページや、「鴨川ベーカリー」へ直接お問い合わせをお願い申し上げます。





プラントベース用には、緑の葉っぱマークが記載されています。
また、アレルギーの方向けに食材の記載もあり、とても親切ですね。

食と環境保全と地域活動





「鴨川ベーカリー」では、食材を重視しているだけでなく、環境保全や地域活動にも参加しています。
例えば、最近より社会問題となっているサスティナブル(持続可能な)活動といった、今後豊かに過ごせるような工夫も取り入れています。
プラスチック容器を無くせるように、お持ち帰りの袋は紙袋にしたり、ドリンクはバタフライカップという特殊な紙コップに注いだりと、出来ることから少しずつ環境保全の取り組みに参加されています。
また、事情により食に困っている地域の子どもたちへ「こども未来カフェ」という無料で食事を提供するという地域活動にも力を入れ始めました。
※毎週金曜日・完全予約制となります。

環境や地域活動に特化した「TABETE」というアプリでは、毎日売れ残りのパンを半額以下で販売し、フードロス削減に貢献しています。
アプリで売り出したら即時に完売するほど、「鴨川ベーカリー」の知名度は広がっています。

加藤さんは、「これからも、プラントベースに対する努力や培ってきたことをもっと研究し、皆が「美味しい」と嬉しそうに食べてもらえるよう、安心出来るものを作り販売していきたい」と仰ってました。





いかがでしたか?
私たちの周りにもいろいろな食事法を持った方たちがいらっしゃるのではないでしょうか。
そういった方たちがより良い暮らしが出来るよう、少しずつ日本の中でも支援や工夫をしていくことはとても大切なことだと感じます。
「鴨川ベーカリー」さんの商品は、本当にもっちりしていて甘く、見栄えも可愛らしいパンが並んでいます。
京都本店の他に、北大路店や滋賀県の膳所駅前にも店舗がありますので是非チェックしてみてはいかがですか?

▼鴨川ベーカリー 京都本店
〒602-0873 京都市上京区伊勢屋町386
TEL:075-746-7720
https://www.kamogawabakery.com/
instagram https://www.instagram.com/kamogawabakery/

▼鴨川ベーカリー 北大路駅前店
〒603-8142 京都市北区小山北上総町43-1
TEL:075-493-3580

▼鴨川ベーカリー 膳所店
〒520-0802 滋賀県大津市馬場2丁目10-23
TEL:077-572-7735

 

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