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大将の想いがつまった、

手作りおにぎり専門店「青おにぎり」

朝食に、夜食に、お出かけに、子供の行事に。手軽でおいしいおにぎりは、作る機会や食べる機会がとっても多い代表的な日本食。
梅干し、鮭、昆布・・・etc。好きな具材が入っているとテンションもあがりますよね♪



手作りおにぎり専門店 「青おにぎり」







今回ご紹介するのは、京都市左京区、観光名所の哲学の道や銀閣寺にほど近いエリアの住宅街にお店を構える羽釜でお米を炊く、手作りおにぎり専門店 「青おにぎり」。 白川という川沿いに佇むレトロで味のある外観のお店。取材の日、そのレトロなお店に吸い込まれるように暖簾をくぐって入る数組のお客さまやお店の雰囲気をスマホのカメラで撮影している若い人を見ると、地元の人はもちろんのこと、県外の多くの人に知られている隠れた名店であることがわかります。取材をさせて頂いたのは、お店の大将(オーナー)の青松としひろさん。ちなみにお名前のとしひろの漢字は「ものすごく難しいから、取材のときはいつもひらがなで書いてもらっているからひらがなで書いといて。」と青松さんに言われました。逆にどんな漢字かがすごく気になりましたが(笑)、いざ取材を開始。

リアカーに歴史あり!



最初に私が聞きたかったことは、お店の前に鎮座している荷台付きの自転車(リアカー)のこと。実は2012年に京都の新京極あたりを仕事先に向かうために歩いていると、リアカーで移動販売しているおにぎり屋さんを見つけて思わずスマホで写真をとったことを思い出し、「もしかするとあの時のおにぎり屋さんは「青おにぎり」さんですか?」とお聞きすると、「そうそう、2011年の開店当初、3年くらいはリアカーで移動販売をしていたんや」と。お店を出しても最初はお客さんも来てくれないから自分から街に自転車で出かけてお客さまに見つけてもらうという広告的な意味も含めて移動販売をされていたらしいです。しかしその例を見ない取り組みが成果として、舞妓さんや芸子さんがいるお茶屋さんからもお声がかかるようになり、テレビなどでも取り上げられたとお話される青松さん。





では、そもそもなんでおにぎり屋さんを開業したのか?



京都の観光名所である嵐山。行ったことがある人はもちろんのこと、テレビなどでも1度は見たことがる人が多い“人力車”。その人力車でお客さまを乗せて観光名所を周るお仕事を20代半ばの3年ほど携わっておられました。人の力で行うアナログな仕事が好きになり、アナログだけど自分の力で何かしたいと考えるようになり、
最初は、飲食店をやろうかな?と漠然と考えていた時にある人との出会いでおにぎり屋が生まれます。

佐藤初女(さとう はつめ)さんとの出会い

その出会いは、福祉活動家、教育者の佐藤初女(さとう はつめ)さん。
佐藤初女さんの活動は多くの書籍にもなっています。彼女が関わった「おむすびの会」にはコンビニのおにぎりしか知らないかもしれない若い人たちにも、「手間をかけることは心をかけること。食事は人を変える大きな力を持っています」と伝え続けられたと言われています。その佐藤初女さんのことを知り、シンプルだけどおむすびを通して人に伝わる力がおむすびにあることに感銘を受けて、“おにぎり”で自分はお店をもつ!と決断をされたそうです。料理経験がなかった青松さんは、そこから東京にある釜でお米を炊くおにぎり屋さんで3年働いた後に、今の「青おにぎり」を29歳で開業。

ちなみに“青おにぎり”の“青”は、ご自身の名字である青松の“青”と“泣いた赤鬼”という絵本に登場する青鬼から取られたそうです。

目の前で握ってくれるおにぎり









青おにぎりでは、鉄の羽釜で炊いたご飯を、注文が入ってから目の前で握ってくださいます。最近は駅などでおにぎり専門店を見かけることはありますが、青おにぎりは作りおきではなく、握りたてをお店の中でいただけるんです。おにぎりの種類は全部で24種類。中にはキーマカレーというおにぎりもあり、選ぶのだけでも楽しくなります。



お寿司屋さんのようなカウンター越しに注文すると、目の前で青松さんがおにぎりを握ってくださいます。握りたてのおにぎりは温かくてふんわり、優しく握られていて、なにより釜炊きのご飯が美味しい!おにぎりにプラスしてイドメニューからおみそ汁とだし巻きも一緒に注文することもできます。
ちなみに青松さんはしゃけとか梅とか昆布が好きだとのこと。お客さんは、好みにもよりますが、他店ではあまりないものを食べて行かれる方も多いらしいです。





テイクアウトもできますし、3個以上持ち帰りを注文すると、なんと竹の皮で包んでくださいます。竹の皮のおにぎり、いいですね!





青松さんの世界観が詰まった店内

店内を見渡すと、まず目に飛び込んできたのが青松さんお手製の消しゴムハンコ。オリジナルメッセージ付きのおにぎりの販売も行われているんだとか。1つ1つのハンコには思い出が詰まっていると話される青松さん。





他にも、青おにぎりのロゴが入ったフリスビーや缶バッチ、おにぎりにまつわる絵本など自作の雑貨やアイテムが壁一面に並んでいます。一見するとおにぎりとは関係がないように見えますが、青松さんの世界観を表現しているだけで、少しでもお客さんの感度に引っかかってくれればそれだけで嬉しいとのこと。







おにぎりだけではなく、青松さんの世界観と愛情がたっぷりつまったお店が「青おにぎり」だと感じるとともに、昔からいろいろな場面で食べられ、日本の食文化に欠かせない「おにぎり」の魅力と日本の心を味わえるお店だとも感じました。京都に来られた際は、是非一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。



大将の青松さんは強面でぶっきらぼうだけど、実直で繊細で、温かいハートの持ち主という人柄が垣間見えますよ(笑)。

▼青おにぎり
住所:〒606-8404
京都府京都市左京区浄土寺下南田町39
電話:075-201-3662
営業時間:11:30~18:00
定休日:月曜日※火曜日は不定休
ホームページ:https://aoonigiri.com/
Instagram:https://www.instagram.com/aoonigiri/


 

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