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電気のように明るいパワーを持つ女性
なないろ電気通信(株) 前中由希恵さん

あたりまえに明かりが点いて、何不自由なく暮らすことのできる毎日。

その裏には、建物に明かりが灯るように働いてくれている電気工事士さんの存在があります。

今回は、なないろ電気通信株式会社にて電気工事士として活躍されながら、女性技能者のための一般社団法人を立ち上げられた前中由希恵さんにお話をうかがいました。

電気工事との出会い





もともとはアパレルに興味があり、色彩やテキスタイルについて学ぶ高校に通っていたという前中さん。

高校卒業後、工事現場で照明器具の箱を開けるような軽作業のアルバイトを手伝わないかと声をかけられ現場へ行くと、実際の仕事内容は高所作業車を使用して、照明器具を取り付けるというものだったそう!



「当時の現場の先輩が『これやってみ?あれやってみ?』とたくさん教えてくれて、電気工事面白いなと思い始めて。もともと負けず嫌いな性格なのと、”電気工事”という知らないことに興味を強く持って、そうこうしているうちに先輩から『それじゃ、次の現場行くぞ〜!』と声をかけられ、気付いたら自然とのめり込んでいっていました。」



電気工事の世界に足を踏み入れた前中さん。
親方から第2種電気工事士の講習会に行っておいでと言われ、その後の試験ではなんと一発合格!
「そりゃあもう、やる気出ちゃいますよね!」と笑顔でお話ししてくれました。



もともと興味のあったアパレル業界とは遠い存在の、電気工事士という仕事。
「高校の頃の友達からは秘密結社に入ったらしい、と噂されたこともありました(笑)」
ひょんなことから、その後の人生が大きく変わることもあるんですね。



「現場で照明を点けると真っ暗だった現場がパッと明るくなって。現場のみんなも『電気工事士さんありがとう!』って言ってくれるのがやりがいを感じる瞬間の一つです。もともとは色温度も知らなかったけど、電気工事を学ぶうちに、照明ってただ明かりを点けるだけじゃなくて、空間をよりよくする力と心と体の健康にも影響するんだって知って。電気工事ってめちゃくちゃ良い仕事じゃんって思ってます!」

男社会で働くことへの葛藤



今でこそ女性の電気工事士さんも増えてきましたが、当時は現場に女性がいることが珍しかった時代。
周りから『本当に女の子にできるの?大丈夫?』と言われることもあったけれど、そんな時はいつも一緒に働いている仲間が『出来るよ!大丈夫だよ!』と庇ってくれたそうです。



しかし、男社会の中で女性が働くと、どうしても目立ってしまうことに葛藤を覚えるようになったという前中さん。
「出来る?無理?などのマイナスな言葉が多かったり、失敗をするとすごく慰められたり、皆が出来ていることが出来ただけですごく褒められたり。特別扱いをされることに違和感を覚えて、フラットにしたいなと思うようになりました。」



自身の経験で伝えていけることがあるのではないか、近くにはいなくても働く上で共感できる存在がいる環境が作れれば誰かのためになれるのではないか、一緒に夢や目標を叶えていけるのではないか……。
そんな想いから女性技能者のための一般社団法人を立ち上げられました。

「ありがたいことに所属している方、皆それぞれ素敵な想いを持っている人ばかりで。いつか皆で一緒に何か仕事ができれば、とっても良いものができるんじゃないかって思っています。」

八幡の街を明るく



電気工事士という仕事の枠に囚われず、たくさんのことに挑戦されている前中さんには、他にも挑戦されていることがあります。
それは、八幡市での竹あかりのイベント。

八幡市は、エジソンが八幡市の真竹を使って電球の長時間点灯を実現したとされ有名で、地元には胸像や記念碑がある、いわば明かりの町。
しかし、2年前に八幡市を訪れた前中さんは、想像と違う八幡市の姿にびっくりしたそうです。



「世帯を明るくしたきっかけの町なんだから、きっと素敵な明かりが灯った町なんだろうなと思って行ってみたら、真っ暗で。八幡市を明るくしたい!って思い、たまたま Instagramで見つけた竹あかりの世界に飛び込んで、周りに力を借り八幡市にもってきちゃいました(笑)」

「その時に俺らもやるわ!と言ってくれたのが八幡たけくらぶさんだったのです。現在、持ち主や、整備する人達の高齢化で全国的に、竹が広がったり倒れる”放置竹林”が問題になっていることを知って。放置竹林を知ってもらい、解決するためのきっかけづくりとして八幡で竹あかりをしようと話しています。」

今年の9月には全国一斉に竹にあかりを灯すイベントの京都代表として参加をされる前中さん。
損得を考えず、自分の信念を貫き、周りの方のために行動を続けるその姿に心を打たれました。

社員として働き続けるために



建設業界といえば、職人さんは独立してなんぼだった業界。
しかし近年は、様々な技術が発達し、従来よりも簡単に建物が建てられるようになり、職人さんだけがバリバリ活躍する時代でもなくなってきているそうです。



「男社会や、厳しい世界と思われがちな建設業界のイメージをだれにとっても かっこよくて魅力的な業界にしたいなって思っています。自分がした嫌な思いは後輩にもさせたくないですし。小さい会社でも子育てをしている女性が働けるように、現場に出なくてもできることはないかとか、どうやったらもっと良くなるかって取り組んでいることを、みんなに知ってもらえるだけでもイメージを良くするきっかけに繋がるんじゃないかと思っています。」



そんな前中さんに今後の展望を聞いてみると……

「きっと自分と同じようなことをやっている人って、他にもたくさんいると思うんです。協力すれば実現スピードが加速する。私もこんなことしているよ!と手を挙げないと仲間と出会えないと思うので、これからも『はいっ!』って手を挙げ続けていきたいですね。」と笑顔で答えてくれました。


いかがでしたか?

ご自身の成長のためだけでなく、女性技能者の方、放置竹林問題や八幡市のあかり、建設業界の未来のために行動を続けられている前中さん。
その行動力や周りを巻き込む力には計り知れないものがあり、お話しをしているだけでこちらまでたくさんの元気をいただけました。
自分のためだけでなく、誰かのために何かをするということには、自身や周りを奮い立たせる大きなパワーが宿るのかもしれません。


▽なないろ電気通信株式会社 電気女子の日常
Instagram:https://www.instagram.com/nanairodenkitsushin/

 

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