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日々是、ほがらかに生きる|No.4

蒸篭でつくる、簡単ほかほか朝ごはん~食欲の秋をもっと美味しく~

秋の到来を肌で感じるこの季節、夏の間眠っていた蒸篭(せいろ)が、久しぶりに食卓に登場します。



憧れから、日常に。我が家の蒸篭生活5年のあゆみ

はじめて蒸篭を買ったのは5年前。
仕事帰りに立ち寄った料理雑貨店で、直径18㎝の小さな蒸篭が1,500円で売っているのを見つけました。蒸篭は値段が高いイメージだったので、「これなら買える」と思い、少しドキドキしながら購入。意気揚々と家に持ち帰ったのを覚えています。



最初に作ったのはシュウマイでした。小さな蒸篭なので、7個くらいしか並べられません。
鍋にお湯を沸かし、その上に蒸篭を置きます。10分にセットしたタイマーが鳴ったら、いそいそと食卓へ。蓋を開けるともくもく蒸気が舞い上がり、熱々のシュウマイが歓声とともに顔を出します。
一口食べてその美味しさにびっくり。普段、料理の感想など言わない夫も、目を大きくして「これ美味しい」と言うので驚きです。
もっと早く買えば良かった。
あれから5年。家族が増え、使う頻度もバリエーションも増え、買い替えを重ねながら、今では「かごや」の直径21㎝の蒸篭を2段重ねて愛用中です。 こうして、丁寧な暮らしとして“憧れ”の対象だった蒸篭は、5年を経てすっかり“日常”になりました。

切る、並べる、蒸す。3ステップでできる簡単さが、忙しい朝を助けてくれる

ところで皆さんは、毎日朝ごはんを食べますか?私は食いしん坊なので、どんなに忙しくても、時間がなくても、眠くても、朝ごはんを欠かすことはありません。
なぜ朝ごはんの話をしたのかというと、我が家で蒸篭が活躍するのが主に朝だからです。
きちんと食べたい。でも、朝から手の込んだものは作れませんし、いまいち食欲が無い時もあります。そんな時によく作るのが、家にある食材を蒸篭で蒸すだけの簡単朝ごはんです。

1.切る 旬の野菜やパンなど、食材はお好みで

今回は、我が家のよくある朝ごはんを再現してみました。レシピというほどのものではありません。旬を迎える野菜をメインに蒸すだけの、簡単シンプルな蒸し料理です。



野菜は基本的になんでもOK。 この日は旬を迎えたサツマイモと蓮根、南瓜を使いました。だいたい同じくらいの厚さになるように切って、サツマイモと蓮根は水にさらします。

2.並べる 重ならないように均等に



食材はなるべく均等に、重なり合わないように並べます。蒸しあがって蓋を開ける瞬間をイメージして美しく並べられたらベストですが、そうでなくても構いません。子ども達にも手伝ってもらえるので、お手伝いしたい盛りのお子さんがいるご家庭は是非やらせてあげてみてください。
タンパク質は、ソーセージやブロックベーコンなどが手軽でおすすめです。



主食はご飯でも良いですが、スペースがあれば是非ハード系のパンを入れてみてください。トーストとは違うもっちり感、ふわふわ感は蒸篭ならでは。水分でべちゃっとならないよう、パンは一番上の段で蒸すのがポイントです。
※蒸し時間が異なるため、ソーセージとパンは途中から入れるように最初はよけておく。

3.蒸す 食材ごとの適した時間を知る

鍋に湯を沸かし、蒸し板の上に蒸篭を置いて蒸していきます。
蒸し料理の難しいと思われがちなところは、食材ごとに適した蒸し時間が分かりにくいことではないでしょうか。



今回の場合、蓮根、サツマイモ、南瓜などの根菜類は、約12分を目安に蒸していきます。
切り方や野菜の水分量によって変わるので、あまり神経質にならなくて大丈夫。竹串をさし、スッと通ればOKです。
ソーセージとパンはそれほど長く蒸す必要がないので、今回は残り5分になったタイミングで追加投入しました。その際、蓋を開けると蒸気があがるので、やけどには注意してくださいね。

蒸している間に、お弁当の準備をしたり、子ども達の着替えを手伝ったり、布団をあげたり。ずっとキッチンにいる必要がないので、忙しい朝時間の有効活用にも一役買ってくれますよ。

蒸篭料理は、五感をくすぐる素朴なご馳走



12分経ちました。熱々のうちに食卓へ。蓋を開けるともくもく蒸気があがり、ほっくり蒸しあがった野菜が顔を出します。美味しそう……!



味付けはシンプルに、オリーブオイルと塩でいただきます。野菜本来の甘みを感じる最低限の味付けは、素朴な美味しさが際立たせてくれます。



残った蒸し野菜は?蒸篭の管理は?

残った野菜は保存しておけば、別の料理に使うことができます。



南瓜やサツマイモは、ミキサーで攪拌してペーストに。牛乳とあわせて鍋で温め、バターひとかけと塩少々を加えれば濃厚なポタージュに変身します。 子ども達が小さい頃は、蒸した野菜をスプーンの背でつぶして、離乳食として食べさせていました。



使い終わった蒸篭は、水でさっと洗って水気をふき取り、直射日光を避けた風通しの良い場所で乾かします。完全に乾いてから収納すれば、長く状態を保つことができますよ。

ふわふわ、もくもく。蒸篭で楽しむ食欲の秋



秋から冬にかけて、心も身体も温めてくれる蒸篭料理。昔食べた懐かしい蒸しパンや、関西では「あるときー!」で有名なあの豚まんなど、より一層美味しく感じられる季節です。ハードルが高いと思っていた方もご安心ください。使い方や管理は意外と簡単なものです。まずはお手頃な蒸篭を手に入れて、好きな食材を蒸すことからはじめてみてはいかがでしょうか。
食欲の秋の楽しみ方を何倍にも広げてくれる蒸篭。これからの季節におすすめです。

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Profile 佐藤ちえみ
京都在住のフリーライター。京都好きが高じて、家族で京都に移住し4年目。
京都・子育て・暮らしをテーマに執筆活動する傍ら、プライベートでは3歳と5歳を育てる二児の母。

 

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