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storyイメージ

映画文化の「大衆性」を取り戻したい

独自の視点から新たなカルチャーを発信する「出町座」

総務省が発表している「社会生活基本調査」によると、映画館で映画鑑賞を行う人の平均行動日数は、2006年からの10年間で全年代において減少しているそうです。
理由は様々あると思いますが、インターネット配信などの普及によってわざわざ映画館に行かなくても気軽に家で映画が観られる環境が整っていることが大きいのではないでしょうか。

「映画文化」は、このまま廃れていくのか?廃れてしまっていいのか?そんな疑問に立ち向かい、カルチャー発信の場として複合施設を運営している京都・「出町座」を訪ねてきました。



「出町座」は2017年12月28日、京都・出町桝形商店街にオープンしました。








48席と42席の二つのシアタールームのある映画館と、本屋、カフェが融合した複合施設になっています。
元々は京都市内にあった最古の鉄筋コンクリート造校舎である、元・立誠小学校の校舎を利用して運営されていた「立誠シネマプロジェクト」として、地域に根差して映画文化の発信を行っていたことが始まりです。

2017年7月、その元・立誠小学校の校舎が閉館されることになり、場所を移して「出町座」として新たにオープンすることとなります。



併設の書店「CAVA BOOKS(サヴァ ブックス)」。








壁面にズラリと並んだ本棚には、様々なジャンルの本が所狭しと並んでいます。毎月内容が変わる「企画棚」が設けられていて、何度も足を運びたくなる設計になっています。



映画鑑賞後、ゆっくり余韻に浸れるカフェ「出町座のソコ」。








シアター席でも食べやすいお洒落な紙ボックス入りのサンドイッチや、映画にちなんだメニューなども取り揃えられています。
映画を観ずに、プラッと自慢のカレーを食べに来られる方もしばしば。



今回お話を伺った、運営責任者である田中誠一さん。




田中さんは、上映映画の選定やスケジュール立案等、運営に関わる全般を担われています。

本来、元・立誠小学校の校舎の閉館が決まった時点で「立誠シネマプロジェクト」は終了してもおかしくない状況でした。
しかし、田中さんは自身が中心となってクラウドファンディングの利用を決意し、結果的には724人もの方に支持をいただくことで無事にオープンを迎えることとなるのです。

なぜ、そんなに労力をかけてまで映画の発信を続けることにこだわったのか。



「大衆性」の変化。




「国民的アイドル」「国民的ヒーロー」・・・そんな「国民的○○」という言葉を昔はよく耳にしましたが、最近あまり聞かなくなった気がします。
それは、「大衆性」が変化していることが要因のひとつではないでしょうか。

美空ひばりさんのように誰もが心を奪われる存在というものが薄れていき、人々の好みや趣向は多様化を極めています。
インターネットの普及により様々な情報を自ら入手することが増え、みんな独自のルートで「自分の好きなもの」を見つけることが簡単になりました。

そのため、「国民的○○」のようにみんながみんな同じものを良いと思う状況、「大衆性」というものが薄れていってしまったのかもしれません。



「映画文化」の大衆性。




その一方で、映画文化の大衆性もまた、変化を起こしています。
かつて日本には、街のところどころに小さな映画館が建ち並んでいました。
それぞれの映画館が独自の感性で映画の配給を行い、その中で誰からも愛される作品等が生まれ、映画はひとつの「大衆文化」となっていきました。

それが、1990年代頃から大手シネコンの台頭が著しくなり、小さな映画館は閉館に追い込まれることになります。
今では多くの人が、映画館で映画を観ると言えば作品から映画館を選ぶのか、シネコンありきで上映映画を選択するのかの二択になっているのではないでしょうか。

そんな状況に警笛を鳴らし、映画文化の大衆性を取り戻したい、と田中さんは言います。

「決してシネコンと対立したいと考えているわけではなく、”映画館に映画を観に行く”という行為そのものが減少していっている今、映画文化を絶やさないためにもシネコンに対峙し、人々に選択肢を与える存在が必要だと感じているのです。」



入り口付近にある発券機。






こちらでチケットを購入し、受付で席を指定するというシステムになっています。



地下と2階にあるシアター。







地下は42席、2階は48席と小ぶりなシアタールーム。
スクリーンや客席の距離の近さも、大画面で見るものとはまた違った楽しみがあります。



ここでしか観られないニッチな作品に出逢えるかも?!




あまり知られていないけど優れた映画というのは世に中にたくさんあります。人が集まらないとわかっていても、社会的メッセージ性のある作品を選ぶことも多いとのこと。逆もしかりで、自分自身はあまり好きではないけど、お客様の要望の多い作品の上映を決めることも。



コミュニティとしての映画館。




田中さんは、「出町座」という存在がコミュニティスペースであり続けたいと願います。

かつての映画館は地域の人々が集う、コミュニティの場でした。そこには、映画を観るだけではない他の意味や意義があったように感じます。
たまたま立ち寄った映画館で偶然見つけた本にインスピレーションを受けたり、同じ映画を観たお客さん同士で会話が生まれ、違う観点があることに気が付いたり・・・。

感性は自分一人では磨かれていかない。自分の価値観ではありえなかったモノたちに触れることで新たな発見があり、磨き上げられていくもの。
だからこそ、同じような映画館や複合施設だけではない、たくさんの選択肢の創出の場として、「出町座」にできる役割があると信じているのです。
そして、家で自分の価値観の中だけに納まるのではなく、たくさんのモノや人に出会ってほしいのです。



出町座の今後






出町座の「これから」はお客様と一緒に作り、育てていきたい。
来てくれたお客様が、出町座を出る時にはいい顔になっていてもらいたい。

街と人をつなげるコミュニティスペースとして出町座が存在し、誰かの心に引っかかるモノを発信・提案できる場となり、何かを生み出そうと努力する人たちの後押しができるように、これからも歩みを進めていきたい。

そんな田中さんの言葉からは、決意と願いが込められているように感じました。





あなたの街にもきっとある、小さな映画館。
一歩中に入ってみると、新たな出会いが待ち受けているかもしれません。
一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

<出町座>
〒602-0823
京都市上京区今出川通出町西入上ル三芳町133
(出町桝形商店街内)
TEL: 075-203-9862
FAX: 075-320-2526

https://demachiza.com/



 

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