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旬の野菜を届けたい。

無農薬・露地栽培・対面販売にこだわる「京やさい佐伯」。

「春は山菜。夏は成りもの。秋は実りの秋。冬は土もの。」
今では、スーパーに行けばどんな野菜も年中並んでいて当たり前になりましたが、やはりそれぞれの旬に合わせて食べるものが一番おいしく、栄養価も高いことをご存じですか?
元来日本は、世界中でも珍しい春夏秋冬という四季のある国です。その四季の気温や天候に合わせて育つ野菜たちは、同じ環境の中で暮らす私たち人間の身体づくりと密接な関係を持ちます。
暑い夏に育つ夏野菜は体を冷やしてくれる効果があり、寒くて風邪をひきやすい冬に収穫される根菜には免疫力と抵抗力を高める栄養素が豊富に含まれています。
昔から旬の野菜を食することで、私たちは健康を保ってこれたのです。

今回は、そんな旬の野菜作りにこだわり、ビニールハウスを使わず露地栽培で京野菜を作り続けている「京やさい佐伯」さんにお話を伺ってきました。



無農薬栽培で安心・安全な京野菜を食べて欲しい。





御前通仁和寺街道下る、住宅街の中にお店を構える八百屋「京やさい佐伯」は、江戸時代から約100年以上続く農家さんです。お話を聞かせてくれた店主であり生産者でもある佐伯昌和さんは、その5代目。スーパー等の一般市場には卸さず、自宅での軒先販売と少しのネット販売でのみ流通されています。
自宅の軒先で販売する小さな直売所には、旬の定番野菜から珍しいマイナー野菜まで、所狭しと並んでいます。

直売所にこだわるのは、京野菜の伝統的栽培方法を絶やしたくないという想いと、対面販売によって得られる人とのつながりを大切にしたいから。

佐伯さんは化学肥料だけでなく、農薬も一切使わない栽培にこだわりを持っています。そうすると、必然的に育つ野菜のサイズや形はバラバラで画一的ではありません。大きいものから小さいもの、曲がっているものまで多種多様。一般市場に卸すためにはサイズを均一化することが必要で、その規定に外れるものは販売することができません。
安心・安全で美味しい旬の京野菜を提供したいと思うと、この販売スタイルでないと叶えることができないのです。



対面販売だからこそ得られる人とのつながり。





「京やさい佐伯」には、毎日たくさんのお客様が、その新鮮な旬野菜を求めてやってきます。
スーパーでは見慣れない珍しい京野菜も多いので、「美味しそう!」とは思うものの、どんな調理法があるのか悩む方も少なくありません。だからこそ対面販売することで、その野菜の美味しさや美味しさが引き立つ調理法、時にはその野菜の”歴史”まで語ってくれると言うのですから、貴重な体験です!

「京やさい佐伯」の常連さんにはプロの料理人の方も多く、日本料理だけでなくイタリアンからフレンチ、中華までと幅広い。世間話から料理や野菜の特徴を教えることもあれば逆に教えてもらうこともあり、常に知識のやり取りがなされています。
このやり取りが後に次の栽培方法のヒントになったりと、得るものも多いのだとか。

ただ「売る」「買う」だけではない人とのつながり。
会話を通して京野菜や農業のことを伝えていくこともまた、伝統を守る一人としての責任の表れなのかもしれません。





「京のブランド産品」にも認定されている、伝統的な京野菜のひとつ「鹿ケ谷南瓜(ししがたにかぼちゃ)」。
はじめは一般的な日本南瓜の菊型だったものが、数年栽培を繰り返すうちにこのようなひょうたん型になったと言われています。上の方は淡白な味なので天ぷらとかに向いていて、下には甘みがあるので煮物等に使われるそうです。
西洋南瓜が輸入されてきてからは、その甘みの違いや調理のしやすさから栽培する農家が減ってきているのだとか。





ゴーヤかと思うほどの大きなきゅうり!これは四葉胡瓜(すうようきゅうり)と言って、一般的なきゅうりと比べて1.5倍ほどの大きさになります。40〜50年前までは関西のきゅうりの主流だったそうで、皮が薄いため歯切れがよくパリパリした食感と風味の良さが特徴です。



季節の移ろいを野菜の旬から感じて欲しい。





「京やさい佐伯」では、ビニールハウスではなくすべて露地で栽培を行っています。
一般的な農家はビニールハウスを使って同じ品種を年中栽培することで、市場に安定した供給を行っているのに対し、四季に合わせた旬野菜のみを栽培している「京やさい佐伯」では、トマトが店頭に並ぶのは夏だけ。なすびは夏と秋だけです。

冒頭でも伝えましたが、自然の摂理にしたがって育つ野菜が一番おいしく、ビタミンやミネラルなどの大事な栄養素の含有量も旬の時期が一番高くなります。安心・安全な野菜を一番おいしい時期に食べて欲しい、それが佐伯さんの願いでありこだわりなのです。
また、野菜で四季を感じられるのは日本人だからこそできる贅沢。食卓で四季を感じることで、季節感を大切にする気持ちが芽生える。それがひいては環境や畑、食材を大切にする気持ちにもつながると信じているのです。

改めて店頭を見てみると、そこには約15種類の野菜が並べられています。常にこれだけの種類をいつも揃えるのは、そう簡単なことではありません。無農薬なので天候にも左右されやすく、その年年の雨量によって収穫時期を検討することも必要です。
それだけの苦労を伴ってでも大切にしたいもの。
その価値を求めて、今日も直売所にはたくさんのお客様が足を運びます。











買って帰った野菜でオススメ料理を作ってみました!
鹿ケ谷南瓜の炊いたん、ししとうの煮浸し、鹿ケ谷南瓜の鶏そぼろ餡かけ、茄子の胡麻和え。
野菜の味が濃くて美味しい!!夏の残り香を感じる食卓でした♪
料理のレシピは動画にて配信中ですので、是非チェックしてみてくださいね!→Life style recipe


★「鹿ケ谷南瓜の炊いたん」は動画でのレシピが未掲載ですので、こちらをご確認ください♪
【材料】
カボチャ 1/2個、水 100ml、しょうゆ ・酒・砂糖・みりん 各 大さじ1
【 作り方 】
1、かぼちゃは種とわたを取り除き、縦に幅3cmのくし形に切る。堅くて切りにくいので、包丁の上に左手を当て、グッと力を入れて押すように切るとよい。さらに、それぞれ3つ〜4つに切る。
2、味をしみ込みやすくするために、皮をところどころむく。次に、切り口の角を、包丁で削るようにしてそぎ落とす(面取り)。こうすると、煮ているときにかぼちゃどうしがぶつかっても、煮くずれしにくくなる。
3、底の広い鍋に煮汁の材料を合わせ、かぼちゃを、皮目を下にして並べ入れる。味をしみやすくするため、できるだけ重ならないようにして。
4、中火にかけ、煮立ってきたら弱火にして、ふたをして20分ほど煮る。混ぜたり裏返したりすると、かぼちゃがくずれやすくなるので、あまり動かさないようにして。
5、竹串がスーッと通るくらいの柔らかさになったらふたを取る。火を強め、鍋を揺すりながら、汁けをとばすようにして煮きる。煮汁がなくなり、かぼちゃがほっくりとした状態になれば、でき上がり。




いかがでしたか?
今の時期は夏野菜が終わりかけで、「終わり初物」の時期だそうです。今から大根の種を播き、10月中旬頃に収穫されます。季節を感じに、一度訪れてみてはいかがでしょうか?

<京やさい佐伯>
〒602-8361
京都府京都市上京区西上之町254-4
TEL:075-463-6627
【営業時間】9:00〜18:00
定休日:日曜日、祝日 



 

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